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【石川県】私立高校は実質1校しか受けられない。その1校を「押さえ」にするか「本命」にするか、12月までに決めること

「石川県では、私立は1校しか受けられないんですよ」

他県から引っ越してきた保護者の方にこうお伝えすると、驚かれることがあります。

全国向けの受験記事には、「滑り止めを何校か」と書いてあることが多いです。でも、石川県ではその考え方がそのままは使えません。

この記事では、石川県で私立を1校選ぶときの考え方をまとめました。12月の出願登録の前に、親子で読んでもらえたらうれしいです。

石川県では、私立は「1校だけ」

私立の入試は、ほぼ同じ日にある

石川県の私立高校は、入試の日がほぼそろっています。同じ日に2校は受けられないので、私立は1校に絞るのが基本です。

令和9年度(2027年春)の募集要項で、2校の日程を確かめました。

学校 推薦入試 一般入試
金沢高校 1月9日(土) 1月29日(金)
遊学館高校 1月9日(土) 1月29日(金)

出典:金沢高等学校 入試情報、遊学館高等学校 入試出願について(2026年11月4日確認)

ほかの学校の日程は、その学校の募集要項で確かめておくと安心です。

推薦で落ちても、一般で受け直せる

推薦入試と一般入試は、別の日にあります。推薦で不合格になっても、一般入試で私立を受けることはできます。推薦とは別の私立を選ぶこともできます。

つまり「1校だけ」なのは、同じ日にある一般入試の話です。推薦で挑戦して、一般で押さえを受ける形もとれます。

県立と合わせて「私立1校+県立1校」が基本

県立高校の一般入試も、出願できるのは1人1校1学科です。学力検査は3月9日・10日、合格発表は3月17日です。

つまり受験の基本の形は、「私立1校+県立1校」です。私立の1校選びは、そのまま受験全体の形を決めることになります。

私立と県立の入試日に印をつけたカレンダーを親子で見る様子

「専願」と「併願」、違いは手続きにも出る

言葉の意味をそろえておく

石川県でも、呼び方は全国と同じ「専願」「併願」です。

  • 専願:その私立が第一志望。受かったら、その私立に入学する
  • 併願:県立が第一志望。私立は「押さえ」として受ける

注意したいのは専願です。専願で私立に合格したら、県立高校は受けられません。「受かってから考える」ができない受け方です。

そのかわり、専願が有利になる学校もあります。金沢高校の進学コースでは、専願にすると加算点が付きます(英検準2級以上でも加算あり)。私立が本命なら、こうした仕組みも選ぶ材料になります。

金沢高校の例で見る、専願と併願の差

違いは、合否の判定や手続きにも出ます。金沢高校の要項を例に整理します。

専願 併願
入学金60,000円 2月10日正午まで 2月10日正午まで
教育充実費30,000円 2月10日正午まで 3月19日正午まで(延納)

出典:金沢高等学校 令和9年度 生徒募集要項(2026年11月4日確認)

併願でも、入学金は2月10日までに払います。県立の合格発表(3月17日)より前です。延ばせるのは残りの3万円だけです。

「押さえ」にもお金と手続きがかかる、と知っておくと慌てません。延納のルールは学校ごとに違います。受ける学校の要項で確かめておきましょう。

推薦でも「併願」ができる学校がある

推薦入試は専願だけ、と思われがちです。でも、学校やコースによっては併願の推薦もあります。

たとえば金沢高校の学業推薦(Sコース・特進コース)には、専願と併願の両方があります。遊学館高校も、学業・人物推薦は「公立高校との併願可」としています。

推薦を考えているなら、どちらの形なのかを早めに確かめておきましょう。

「押さえ」の1校は、心の保険になるかで選ぶ

県立の本命が「勝負」のレベルかどうか

では、押さえの私立はどう選べばいいのでしょうか。

私が一番大事にしているのは、その1校が「心の保険」になるかどうかです。

県立の本命が、合格できるかどうか勝負のレベルの場合を考えます。少しリスクが高い挑戦です。このとき、「落ちても、ここなら通える」と思える私立があるかどうか。それで、本番の気持ちがずいぶん変わります。

「ここなら通える」と思えるかを確かめる

心の保険になるかは、偏差値だけでは決まりません。次のような点を、親子で一緒に見てみてください。

  • 毎日の通学(時間・交通手段・冬の雪の日)
  • コースや進路が、その子の目標に合っているか
  • 部活や校風が合いそうか
  • 本人が「ここなら行ってもいい」と言えるか

「友だちが行くから」と言う子もいます。それだけで決めずに、上の点も一緒に見ておくと安心です。

雪の朝、駅のホームで電車を待つ中学生

押さえが決まったあとが、いちばん危ない

「私立は大丈夫」が油断に変わる

ここが、この記事で一番お伝えしたいことです。

押さえの私立が決まると、子どもはほっとします。それ自体は悪いことではありません。

ただ、現場で見ていると、これが油断の原因になることがあります。まだ本命の県立に届く学力や学習量ではないのに、勉強の手がゆるむのです。

金沢高校の場合、一般入試の合格発表は2月5日です。県立の学力検査(3月9日)までは、およそ1か月あります。この1か月をどう過ごすかで、本命に届くかが変わってきます。

保険は「挑戦するため」に持つもの

心の保険は、安心して本命に挑戦するためのものです。勉強をゆるめるためのものではありません。

私立の合格が出たら、「ここからが県立の本番だね」と声をかけてあげてください。親の一言で、子どもの気持ちは切り替わりやすくなります。

12月の出願登録までに、親子で話しておく3つ

金沢高校の場合、出願登録は12月7日から始まります。締切は推薦が12月31日、一般が1月15日です。三者面談の前に、次の3つを家で話しておきましょう。

  1. 県立の本命はどこか。届かなかったら、どんな気持ちになりそうか
  2. 私立の1校はどこか。専願か、併願か
  3. 手続きとお金の日程(入学金の締切など)を、家族で共有したか

答えがすぐに出なくても大丈夫です。話し合っておくだけで、三者面談で先生の話が入りやすくなるはずです。

まとめ

  • 石川県では、私立の入試はほぼ同じ日。私立は1校に絞るのが基本
  • 推薦で落ちても、一般入試で別の私立を受け直せる
  • 専願で受かったら、県立は受けられない
  • 併願でも、入学金は県立の発表より前に払う(金沢高校の例)
  • 押さえの1校は「心の保険になるか」で選ぶ
  • 押さえが決まったあとの油断に気をつける

県立のWeb出願や志願者登録については、こちらの記事にまとめています。あわせて読んでみてください。

【石川県】2027年の高校入試はWeb出願に。12月の「志願者登録」までに、親子で決めておきたいこと

共通テストの目標点、「とりあえず8割」で決めていませんか?金沢大の配点から逆算する3ステップ

「共通テストの目標は何点?」

そう聞かれて、「とりあえず8割です」と答えていませんか。

8割は、国公立を目指せるひとつの基準として、よく言われる数字です。ただ、この「8割」に縛られて、苦しくなっている受験生をたくさん見てきました。

模試で7割台が続くと、「もう国公立は無理かも」と思ってしまう。気持ち、よく分かります。

でも、目標点は気合いで決めるものではありません。志望する大学・学類の配点を見れば、自分に必要な点が見えてきます。

今回は金沢大学の配点を例に、目標点を逆算してみます。電卓を1台、横に置いておくと便利です。

「とりあえず8割」の前に、配点表を開いてみましょう

「8割」は、誰にとっての目標?

同じ金沢大でも、共通テストの重さは学類で違う

まずは実際の配点を見てみましょう。金沢大学の令和9年度入試、前期日程の配点です。

学類(前期) 共通テスト 二次(個別試験) 合計 共通テストの割合
人文学類 525 800 1325 約40%
法学類 950 1500 2450 約39%
医学類 950 2100 3050 約31%
薬学類 800 1200 2000 40%

出典:金沢大学 令和9年度 入学者選抜要項(2026年11月1日確認。医学類の二次には口述試験300点を含みます)

どの学類も、二次が6割以上

表を見ると、どの学類も二次試験の比重が6割以上です。

つまり、共通テストだけで合否が決まるわけではありません。共通テストで少し足りなくても、二次で取り返せる余地があるということです。

ただし、医学類は例外があります。志願者が募集人員の約3倍を超えると、共通テストの点で第1段階選抜が行われます。医学類を目指すなら、共通テストの「最低ライン」も別に持っておきましょう。

逆に言えば、共通テストで高得点を取っても、二次で崩れると届きません。

「8割取らなきゃ」と思い詰める前に、まずは自分の学類の配点表を一度開いてみてください。

目標点は「大学を決めてから」決める

私が生徒と目標点を決めるときは、順番がいつも同じです。先に志望する大学を決めて、「その大学に行くなら、これぐらいの点数だね」と話します。

点数から大学を探すのではなく、大学から点数を決める。この順番にすると、数字に意味が出てきます。

具体的には、次の3ステップです。

ステップ1:合格に必要な合計点の目安を決める

まずは合計点で、どのくらい取れば届きそうかを見ます。

合格者の最低点や平均点は、大学の公式サイトの「入試データ」で公開されています。予備校のサイトにもまとめがありますが、最後は大学の公表している数字で確かめましょう。

金沢大学 入試データ

ステップ2:共通テストと二次に振り分ける

合計点が決まったら、それを共通テストと二次に分けます。ここで、自分の得意がマークか記述かが効いてきます。

説明のために、仮の数字で考えてみます。人文学類(合計1325点)で、合計900点を目標にしたとします。

タイプ 共通テスト(525点満点) 二次(800点満点) 合計
マークが得意なAさん 420点(8割) 480点(6割) 900点
記述が得意なBさん 370点(約7割) 530点(約66%) 900点

※900点は説明用の仮の数字です。実際の目安は、ステップ1の公式データで確かめてください。

同じ900点でも、Bさんは共通テスト7割で届く計算になります。「8割」が全員の目標ではない、ということが見えてきます。

ステップ3:教科ごとに割る

最後に、共通テストの目標を教科ごとに割ります。人文学類の共通テストの配点は、次のとおりです。

国語100・地歴公民150・数学100・理科50・外国語100・情報25

Bさんの370点なら、たとえば次のような分け方が考えられます。

  • 外国語(英語)80
  • 国語 70
  • 数学 65
  • 地歴公民 105
  • 理科 30
  • 情報 20

※配分は説明用の一例です。英語はリーディングとリスニングの合計を、大学の配点(外国語100点)に換算した点で考えます。

こうして教科ごとに数字を出すと、「どこで点を上げるか」が具体的になります。

金沢大が厳しいときは、富山大も同じ手順で

金沢大が難しそうなとき、富山大学に志望を移す生徒も多いです。

そのときも、手順は同じです。富山大学の募集要項で配点を確かめて、もう一度計算し直してください。大学が変われば、共通テストと二次の割合も変わります。

合計→共通テストと二次→教科別。3段で目標点を出します

共通テストの点だけで、合否は決まらない

ここで、私が実際に見てきた例をお話しします。

共通テストで思うように取れなかった生徒がいました。「もう落ちる前提で、ダメ元で受けてくる」と二次に向かいました。結果は合格。こうした生徒は、少なからずいます。その年は、当日の欠席者が多かったことも重なっていました。

反対の例もあります。共通テストの手応えがよく、たぶん受かるだろうと思っていた生徒です。その年は当日の受験者が多かったことも重なって、残念な結果になりました。

二次の当日に何が起きるかは、誰にも分かりません。だからこそ、共通テストの自己採点だけで、二次の準備をやめないでほしいと思っています。

12月は「学校と同じこと」をしない

目標点が決まると、12月の時間の使い方も決まってきます。

私が塾で意識しているのは、学校と同じことをしないことです。

学校で共通テスト対策をしっかりやっているなら、塾や個人レッスンでは二次対策に回します。同じ対策を二重にやるより、足りない側を埋めたほうがバランスが取れます。

学校の授業や課題で、いま何をやっているか。一度書き出してみると、自分で足すべきものが見えてきます。

そのうえで、ステップ3で出した教科別の目標と今の点を見比べてください。差が大きい教科ほど、時間を多めに回します。

共通テストのあと、二次までの「長い1か月」

もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。

2027年の共通テストは1月16日・17日です。金沢大の前期の個別試験は2月25日。その間は1か月以上あります。

この期間に私立大学を受けて、合否の結果も出てきます。そこで疲れ切ってしまって、「私立でいいかな」と親子で決めてしまうご家庭もあります。

もちろん、それが本人にとって良い選択なら問題ありません。ただ、疲れから決めてしまうのはもったいないです。

目標点を最初に決めておくと、「二次で何点取ればいいか」が手元に残ります。それが、この長い1か月を走り切る支えになるはずです。

まとめ

  • 「8割」は国公立のよくある目安で、全員の目標ではない
  • 金沢大の前期は、どの学類も二次が6割以上(医学類は第1段階選抜に注意)
  • 目標点は「大学を決める→合計点→共通テストと二次→教科別」の順で出す
  • 共通テストの自己採点だけで、二次の準備をやめない

まずは今夜、志望する学類の配点表を開いてみてください。共通テストと二次の割合を書き出すだけで、目標点の見え方が変わるかもしれません。

共通テストと二次の勉強法の違いは、こちらの記事にまとめています。

共通テストと二次試験の勉強法は「全く違う」。本質を理解すれば、合格が近づく

保護者の方には、共通テスト前日の声かけの記事もどうぞ。

『頑張って』が逆効果だった。共通テスト前日、本当に子どもを支える言葉とは

目標点の配分を、一度見てほしいときは

とはいえ、自分で教科ごとに割ってみると、どこで点を上げるか迷うこともあると思います。

私が運営する個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)では、単発のスポットレッスンのご依頼も受けています。

スポットレッスンでは、まず今の状況をしっかりお聞きします。何を勉強しているか、これから何をしたいか。そのうえで、具体的な進め方をご提案します。

なお、来年受験生になる高校2年生の方には、無料体験も行っています。

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【石川県】2027年の高校入試はWeb出願に。12月の「志願者登録」までに、親子で決めておきたいこと

「今年から、高校の出願がネットになるらしいよ」

ママ友からそう聞いて、ちょっとドキッとした方もいるかもしれません。顔写真もデータで出すそうです。うちは大丈夫かな、と思いますよね。

先に結論からお伝えします。手続きのほうは、学校の案内どおりに進めれば大丈夫です。 登録した内容は、中学校が確認してくれる仕組みになっています。

それよりも、親子で決めておきたいことがあります。それは「どの高校を目指すか」です。そして、そのために親子で同じ方向を向いておくことです。

この記事では、Web出願で変わることを整理します。そのうえで、三者面談の前に親子で話しておきたいことをまとめました。

石川県の公立高校入試、2027年から何が変わる?

出願から合格発表まで、ネットでできるように

石川県教育委員会は、令和9年度(2027年春)の入試から「Web出願システム」を導入します。

流れは次の6ステップです。

順番 やること 中身
① 志願者登録 学校から配られるQRコードかURLで登録
② 志願情報申請 志望校・学科をシステムで選ぶ
③ 入学検定手数料の納付 カード・QR決済・コンビニで払う
④ 受検票の印刷 自宅やコンビニで各自印刷する
⑤ 合格者の確認 システムで本人の合否を確認できる
⑥ 入学手数料の納付 システムから納付できる

合格発表は、これまでどおり各高校での掲示もあります。ネットだけになるわけではありません。

2027年度入試の主な日程

区分 日程
志願者登録 12月から開始予定
推薦入学の出願 2027年1月28日(木)〜2月1日(月)
推薦の面接等 2月8日(月)
一般入学の出願 2月16日(火)〜2月19日(金)
志願変更 2月25日(木)〜3月1日(月)
学力検査 3月9日(火)・10日(水)
合格者発表 3月17日(水)正午

出典:石川県教育委員会「Web出願システムを導入します」、「令和9年度 入学者選抜方針」(2026年10月28日確認)

スマホで志願者登録の画面を親子で確認する様子

12月の「志願者登録」で、家庭で準備しておくもの

メールアドレス・顔写真データ・パスワード

県の案内によると、志願者登録で入力するのは次のようなものです。

  • メールアドレス
  • 顔写真のデータ
  • パスワード など

どのメールアドレスを使うか、写真をどう用意するかは、先に家で決めておくと慌てません。

ただ、細かい手順は11月頃に出る予定の「Web出願システム利用案内」で決まります。いまの情報は予定の段階です。案内が出たら、この記事にも追記しますね。

支払い方法と、受検票の印刷

検定料は、クレジットカード・QRコード決済・コンビニ払いから選べます。受検票は、自宅のプリンターかコンビニで印刷します。

「うちはプリンターがない」というご家庭も、コンビニで大丈夫です。どこで印刷するかだけ、親子で決めておきましょう。

心配なのは、実はお子さんより保護者のほう

大学受験の生徒を見ていても感じることがあります。こういうネットの手続きは、子どもより親のほうが苦手なことが多いんです。

子どもはスマホ操作に慣れています。操作の途中で手が止まるのは、たいてい大人のほうなんですよね。

なので、登録が始まったら一度、親子で画面を一緒に開いてみてください。「どこを押せば何が起きるか」を確かめておくだけで、出願のときに慌てにくくなります。

手続きより先に、決めておきたいのは「志望校」

推薦の出願は1月末。方向が決まるのは、その前

推薦入学の出願は、2027年1月28日から始まります。つまり年内には、「推薦で出すか、一般で受けるか」の方向が見えていると安心です。

石川県の推薦の枠は、普通科で募集定員の25%以内です。コースや専門学科などは30%以内とされています。

手続きはネットで簡単になっても、どこに出すかは家庭でしか決められません。

これまで見てきた「揉める家庭」のパターン

志望校選びで揉めるご家庭には、よくある形があります。

ひとつは、大人の意見だけで話が進んでしまうケースです。保護者の友人や学校の先生の意見を中心に、子どもの希望を聞かないまま話が進みます。

子どもは反発するか、黙ってしまいます。そして結果的に、本人が望んでいなかった高校に進むことも珍しくありません。

もうひとつは、その逆です。子どもが点数を正面から見ないまま、希望だけを言い続けるケース。気持ちは分かります。でも結果として、目指していた高校とはまったく違う高校に進んだ子もいました。

どちらも、親子が別々の方向を向いたまま、時間だけが過ぎてしまった形です。

三者面談の前に、親子で話しておきたい3つのこと

① まず、子どもの希望を先に聞く

親の考えを伝えるのは、そのあとで十分です。「どこに行きたい?」「なんでそこ?」を先に聞いてみてください。

理由がまだふわっとしていても大丈夫です。大事なのは、親子で「どうしたいのか」をはっきりさせておくこと。同じ方向を向いていれば、面談で先生の話を聞いても揺らぎにくくなります。面談は、親子で決めたことを先生と確かめる時間になります。

② 点数を、正面から一緒に見る

希望を聞いたら、次は点数です。ここで役に立つのが、石川県の中3統一テストの結果です。

統一テストは、普段の定期テストや実力テストより点数が低く出ることが多いです。私は生徒や保護者に「入試本番にかなり近い点数だと思ってください」と説明しています。

「定期テストではもっと取れているのに」と感じても、まずはその点数を受け止めるところから始めましょう。そこから「あと何点」を親子で考えるのが、いちばん現実的なスタートです。

統一テストの結果の見方は、こちらの記事でも書いています。

【保護者向け】石川県中3統一テストを攻略するには?

③ 推薦か、一般か

推薦が向いているのは、自分から率先して、何かを先に始められる子だと感じています。

逆に、言われないとなかなか動けない子は、推薦はあまり向かないかもしれません。推薦は面接など、本人が自分の言葉で準備する場面があるからです。

これは良い悪いではなく、向き不向きの話です。お子さんがどちらのタイプか、親子で一度話してみるのがおすすめです。

面談で先生に聞いておきたいこと

三者面談では、先生から特定の学校を勧められることが、わりとよくあります。

そのときは、ぜひこう聞いてみてください。

「その学校は、この子にとって、どんなメリットがありますか?」

先生の勧めにはきちんと理由があるはずです。その理由が「この子」に合っているかを確かめておくと、面談の納得感が変わってくるはずです。

三者面談で先生と話す親子

まとめ

  • Web出願の手続きは、学校の案内どおりで大丈夫
  • 志願者登録は12月から開始予定。メール・写真・支払い方法は先に決めておく
  • 登録画面は一度、親子で一緒に開いておく
  • 本当に決めておきたいのは「どこを目指すか」
  • 面談前に話すのは、①子どもの希望 ②統一テストの点数 ③推薦か一般か
  • 面談で勧められた学校は「この子にとってのメリット」を聞く

まずは今週、お子さんに「どこに行きたい?なんでそこ?」と一度だけ聞いてみてください。答えが短くても、それが最初の一歩です。

入試直前の過ごし方は、こちらの記事にまとめています。

石川県公立高校入試までラスト1ヶ月。保護者が整えたい3つのこと

推薦か一般か、決めきれないときは

とはいえ、家で話すと気まずくなる、というご家庭もあると思います。親子だからこそ、言いにくいこともありますよね。

私が運営する個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)では、学習相談を受け付けています。

三者面談の1週間前くらいに、統一テストの結果と通知表を見せてください。推薦にするか一般にするか、その子に合う受け方を一緒に考えます。

無料体験・学習相談はこちら:個人指導塾拓杜(オンライン)

「うるさい」「別に」が返ってくる日に。反抗期のわが子への、場面別の返し方

「今日、学校どうだった?」 「……別に」

ドアがパタンと閉まって、リビングに静けさだけが残る。分かります。その数秒、けっこうこたえますよね。

小さいころは、聞かなくても全部話してくれたのに。どこで何を間違えたんだろう、と考えてしまう方も多いと思います。

先に一つだけお伝えさせてください。反抗期は、育て方の失敗のサインではありません。

今日は、よくある場面ごとに「何が起きているのか」と「どう返すか」をまとめました。全部やらなくて大丈夫です。一つでも使えそうなものがあれば、うれしいです。

閉まったドアの前で、言葉を飲み込む夜

反抗期は、脳が「工事中」の時期です

まず、子どもの中で何が起きているのかを見てみましょう。

脳の成熟は、20代半ばから後半まで続くといわれています。おでこの裏にある「前頭前野」は、最後に育つ部分の一つです。ここは計画を立てたり、判断したりする場所です。

一方で、感情を担う部分は先に活発になる、と説明されることが多いです。アクセルは強いのに、ブレーキがまだ育ちきっていない。そんなイメージです。

だから、「うるさい!」と言ったあとに、本人が一番困っていることもあります。言い方がきついのは、性格が悪くなったからではないかもしれません。

もう一つ、意外と知られていない話があります。思春期は、眠くなるホルモン(メラトニン)が夜遅くまで高いままです。朝もなかなか下がりません。朝起きられないのは、気合いだけの問題ではなさそうです。

うちの子はどれ?反抗の3つのタイプ

心理学者の諸富祥彦先生は、思春期の反抗を3つのタイプに分けています。

タイプ よく見られる様子
コミュニケーション回避タイプ 話しかけても返事がない。「別に」「さあね」
闘争タイプ 「うるさい!」「ほっといて!」と言い返す
反抗期がほとんどないタイプ 親のほうが「大丈夫?」と心配になる

いちばん多いのは回避タイプで、反抗期の約5割だそうです。日によって入れ替わったり、混ざったりもします。

返事がないからといって、全部が親への不満とは限りません。ここは、少し肩の力を抜いていいところだと思います。

よくある場面7つと、その返し方

ここからは、ご家庭でよく聞く場面を並べてみます。「ついやりがちな返し」と「試してみたい返し」をセットにしました。

場面1 何を聞いても「別に」「普通」

  • ついやりがち:「別にってことないでしょ。ちゃんと答えて」
  • 試してみたい:「そっか。お腹すいてる?」で終える

質問への答えを引き出すより、会話が「終わってもいい」と思える空気が先かもしれません。子どもは、話したいときには自分から話してきます。

場面2 帰宅したら、すぐ部屋にこもる

  • ついやりがち:ドアをノックして「何してるの?」
  • 試してみたい:「ごはん7時ね」と予定だけ伝える

一人の時間は、頭と気持ちを整理する時間でもあります。用件だけ短く伝えると、部屋の外に出るきっかけが残ります。

場面3 「勉強しなさい」でキレる

  • ついやりがち:「あなたのために言ってるの!」
  • 試してみたい:「今日の分、何時からにする?」と聞く

2025年に高校生795人に聞いた調査では、親に言われてイラッとする言葉の2位が「勉強しなさい!」でした。ちなみに1位は「いつまで寝てるの!」です。どちらも、言いたくなる気持ちはよく分かります。

教育評論家の尾木直樹さんは、キーワードは「あなたはどう思う?」だと話しています。命令より、決めるのを本人に返してみる。そのほうが動き出しやすいことがあります。

場面4 スマホを手放さない

  • ついやりがち:その場で取り上げる
  • 試してみたい:落ち着いた日に、ルールを一緒に決める

ルールは親が決めて渡すより、話し合って合意するほうが守られやすいようです。「ルールはいつでも変えられる」ことも、最初にルールに入れておくといいそうです。

場面5 母親(または片方の親)にだけ強く当たる

  • ついやりがち:「お母さんにだけその態度は何?」
  • 試してみたい:受け止め役を一人で背負わない

一番安心できる相手だからこそ、強く出てしまう面もあります。とはいえ、受け止める側がすり減ってしまっては続きません。もう一人の大人に間に入ってもらうのも、立派な作戦です。

場面6 外ではいい子、家では暴言

  • ついやりがち:「先生の前ではちゃんとしてるのに」
  • 試してみたい:家を「気を抜いていい場所」と認める

外で頑張っているぶん、家で力が抜けている可能性があります。比べる言葉は、子どもにはかなり刺さります。

場面7 朝、何度起こしても起きない

  • ついやりがち:5分おきに「いつまで寝てるの!」
  • 試してみたい:起こすのは1回、あとは本人の目覚ましに任せる

先ほどのメラトニンの話を思い出してください。朝が弱いのは、体の時計がずれている面もあります。夜のスマホ時間を一緒に見直すほうが、近道になるかもしれません。

同じ部屋にいて、話さない時間も悪くない

これだけは避けたい、3つの返し方

場面は違っても、こじれやすい返し方には共通点があります。

  1. 質問責めにする:「勉強は?」「あの子とは?」と続けると、子どもは口を閉ざしてしまいがちです
  2. 同じ土俵で言い返す:声を荒らげたり、正論で追い詰めたりすると、お互いに引けなくなりやすいです
  3. きょうだいや他の子と比べる:本人の中に「どうせ自分は」が残ります

それでもカッとなる日はあります。親も人間ですから。

そんなときは、親のほうがその場を離れてみてください。別の部屋でも、散歩でもかまいません。クールダウンは2時間が目安だそうです。子どもを部屋から出すのではなく、親が動くのがポイントです。

「うちの子、反抗期がない」は心配?

反対に、反抗期が見えなくて不安になる方もいます。

2016年のある調査では、「反抗期と思える時期はなかった」と答えた若者が、男性42.6%、女性35.6%でした。

2025年の調査でも、高校生の保護者の48.7%が「うちの子は反抗期ではない」と答えています。

つまり、反抗期がはっきり見えない子は、いまやめずらしくありません。親子の会話ができているから、という見方もあります。

気にかけたいのは、「言いたいことを飲み込んでいないか」です。「あなたはどう思う?」と聞いたとき、自分の意見が出てくるか。そこを見てあげると安心材料になります。

一人で抱えないでほしいサイン

思春期の脳には立ち直る力があり、多くの10代は健康な大人になっていくとされています。

ただ、次のようなときは、家庭だけで抱えずに相談してほしいと思います。

  • 物を壊す、手が出るなど、暴力がある
  • 学校に行けない日が続いている
  • 眠れない、食べられないなど、体の様子が明らかに変わった
  • 親のほうが限界で、眠れない日が続いている

相談先は、学校のスクールカウンセラーや、自治体の子育て相談窓口があります。児童相談所の相談専用ダイヤル(0120-189-783)も、子育ての悩みを受け付けています。

まとめ

  • 反抗期は、脳とホルモンの「工事中」に起きる自然なこと
  • 返事がないのは、親への不満だけとは限らない
  • 質問より「予定だけ伝える」「本人に決めてもらう」
  • カッとなったら、親がその場を離れる(目安は2時間)
  • 反抗期がない子もいまは多い。意見を飲み込んでいないかを見る

今日からできることを一つだけ挙げるなら、「勉強しなさい」を「何時からにする?」に変えてみてください。言葉を一つ変えるだけでも、空気は少し変わるかもしれません。

勉強のことで、親子がぶつかってしまうときは

とはいえ、勉強の話になると毎回ケンカになる、というご家庭も多いと思います。親子だからこそ、言葉がまっすぐ届きにくい時期なんですよね。

私が運営する個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)では、学習相談を受け付けています。

家では聞けない「本人の考え」を、第三者として一緒に聞いてみませんか。親御さんが「言わなくていい」状態をつくるのも、塾の役目の一つだと思っています。

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参考:米国立精神衛生研究所(NIMH)/講談社コクリコ(諸富祥彦先生)/スタディサプリ進路(2025年調査)/とうきょう子育てスイッチ(尾木直樹さん)/明治安田生活福祉研究所(2016年調査)

「意欲が下がったの?」と心配された話。地域密着の塾からオンラインに移って、変わったこと・変わらないこと【番外編】

今日は、いつもの勉強法の話から少し離れます。番外編です。

あるとき、知り合いの塾長さんからこう聞かれました。

「オンラインに移ったって聞いたけど、意欲が下がったの?」

心配してくださったのだと思います。ありがたい話です。教室を構えて、地元の子を迎える。その形から離れたら、そう見えるのも無理はありません。

ただ、正直に言うと、むしろ反対なんです。

地域密着型の指導からオンラインに軸足を移して、何が変わったのか。そして、何が変わらなかったのか。今日はそのあたりを、飾らずに書いてみます。

教室で迎える形から、画面越しに会いに行く形へ

変わったこと①:「学ぶこととは?」を考えるようになった

オンラインに移ってから、いちばん考えるようになったことがあります。「学ぶって、そもそも何だろう」という問いです。

地域に根ざして教えていると、その土地の学校やテストに詳しくなります。それは大きな強みです。一方で、「ここを覚えておけば大丈夫」という教え方にも寄りやすくなります。

オンラインでは、それが通用しません。生徒の住む場所も、通う学校も、使う教材もばらばらだからです。

そこではっきり見えてきたのが、丸暗記学習の弱さでした。

覚えた形のまま出れば解ける。でも、聞かれ方が少し変わると手が止まる。住んでいる場所が違っても、この弱さは同じように顔を出します。

反対に、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で言える子は強い。どこで学んでいても、崩れにくいんです。

当たり前といえば当たり前の話です。でも、その当たり前を、あらためて生徒から教わっている気がします。

変わったこと②:教える相手の「場所」が広がった

いま画面の向こうにいるのは、東京や沖縄の生徒です。オーストラリアやインドで学んでいる日本人の生徒もいます。

石川県の片田舎で教室をやっていた頃には、想像もしなかった顔ぶれです。

学校の仕組みも、進路の考え方も、地域や国でずいぶん違います。話を聞くたびに「そういう世界もあるのか」と驚かされます。教えているはずが、こちらが教わっている場面も多いんです。

視野が広がった、という言い方がいちばん近いかもしれません。意欲が下がるどころか、知りたいことが増えました。

片田舎の机から、いろいろな土地の生徒につながる

正直、むずかしさもあります

いい話ばかりでは、うそになります。オンラインならではのむずかしさも、はっきり感じています。

対面なら、教室に来た時点で勉強の空気に入れます。表情も手元も、そばで見ていられます。

オンラインは違います。さぼろうと思えば、さぼりやすい環境です。画面の外で何をしているかまでは、こちらから見えません。

だからこそ、関係づくりが土台になります。

「見張られているからやる」では、長続きしません。「この人には正直に話せる」と思ってもらえるかどうか。そこに、対面のとき以上に時間をかける必要があります。

ここは今も試行錯誤の途中です。うまくいく日もあれば、反省する日もあります。

それでも、指導の本筋は変わりませんでした

意外だったことがあります。長年、石川の片田舎で続けてきた指導のやり方が、そのまま通用したことです。

東京や大阪の受験対策でも、ちゃんと役に立っています。

受験の仕組みや情報の量は、地域によって違います。でも、やっていることの芯は同じでした。

  • どこでつまずいているかを、一緒に探す
  • 「分かったつもり」を、そのままにしない
  • 自分の言葉で説明できるところまで付き合う

住む場所が変わっても、生徒がつまずくところは大きく変わりません。

田舎の小さな教室で積み重ねてきたことは、無駄ではなかった。そう思えたのは、オンラインに移ったからこそです。

これからも、続けていきます

今日の話を整理します。

  • オンラインに移って、「学ぶこととは?」をあらためて考えるようになった
  • 丸暗記学習の弱さは、どの地域の生徒にも同じように表れる
  • 国内外の生徒と出会い、教える側の視野が広がった
  • さぼりやすい環境だからこそ、関係づくりに時間をかけている
  • 地域で培った指導法は、都市部の受験対策でも役に立っている

あらためて、塾長さんへの答えです。意欲は下がっていません。形が変わっただけで、やりたいことはむしろ増えました。

教室の扉を開けて待つ形から、画面越しに会いに行く形へ。道具は変わりましたが、指導の本筋はこれからも同じです。この先も、続けていきます。

住んでいる場所は問いません

個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)は、オンラインの個人指導塾です。答案やノートを一緒に見るところから始めます。

「覚えたはずなのに点にならない」「解説は分かるのに自分では解けない」。そんな心当たりがあれば、気軽に相談してください。

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部活引退後の受験生が意識したいこと——「時間ができたのに進まない」秋の過ごし方

「部活が終わったら、本気でやるって言ってたよね」 「やってるよ。今ちょっと休んでるだけ」

部活を引退した中3のご家庭で、こんなやり取りが増える時期です。分かります。帰りが早くなったぶん、ソファにいる姿が目に入りやすくなりますよね。

引退すれば、時間は増えます。ただ、増えた時間がそのまま勉強に変わるとは限りません。

長く中3を見てきて、この時期に生徒へ聞いている質問があります。今日はその質問と、引退後に意識してほしいことをお話しします。

引退直後に時間を持て余すのは、よくあることです

引退直後に時間を持て余すのは、めずらしいことではありません。指導していても、多くの子がそうなります。

部活は、1日の骨組みでした。

何時まで練習して、何時に帰って、何時に寝るか。考えなくても決まっていたんですね。その骨組みが、ある日すっぽり抜けます。

空いた時間に何を入れるか。それを自分で決めるのは、中3にとって初めての経験かもしれません。少し迷う期間があっても、自然なことだと思っています。

気になるのは「秋になっても変わらない」ときです

部活のない夕方。時間はあるのに、机が遠い

では、心配しなくていいのか。ここは分かれ目があります。

引退後しばらくして、時間の使い方を少しずつ直していける子がいます。うまくいかなければ、また変えてみる。こうして微調整ができている子は、あまり心配していません。

気になるのは、受験を控えた秋になっても変わらない場合です。

時間を持て余したまま、手近な楽しみに流されてしまう。動画、ゲーム、スマホ。誘惑に弱い時間の使い方が続いていると、不安になります。

時間はあるのに、使い道が決まっていない。ここでつまずく子が多いように感じます。

意識1:「いまの時間の使い方は、志望校に対して正解?」と聞いてみる

引退した受験生に、私が聞いている質問がこれです。

「目指している志望校に対して、いまの時間の使い方は正解?」

「もっと勉強しなさい」と言われると、身構えてしまいがちです。この質問なら、本人が自分で答えを出せます。

志望校は、本人が決めた目標です。そこに届く過ごし方かどうか。生徒と一緒に、1日の時間の使い方を確認していきます。

その過ごし方は、目標に対して役に立っているか。責めるためではなく、確かめるために聞きます。

答えに詰まっても大丈夫です。詰まったところが、変えどころかもしれません。

いまの時間の使い方は、目標に届く道になっているか

意識2:休憩をなくすより、勉強の時間を先に決める

ここからの2つは、ご家庭で試しやすい工夫です。

休憩や娯楽を、ゼロにする必要はないと思っています。問題は、休憩が先に決まって、勉強が余った時間に回ることです。

順番を逆にしてみてください。

  • 部活をしていた時間帯を、そのまま勉強の時間帯にする
  • 帰宅したら、座る前に「何時から何をやるか」を1行だけ書く
  • 休憩は、決めた勉強が終わったあとに取る

部活の時間は、もともと体が動いていた時間帯です。そこに勉強を入れると、無理が少ないと思います。

意識3:部活のやり方を、勉強にそのまま持ち込む

部活を続けてきた子には、すでに身についているものがあります。

  • 決まった時間に始める
  • 同じ練習をくり返す
  • できなかったところを、次の練習で直す

これは、受験勉強の進め方とよく似ています。

ワークを解く。間違えた問題を解き直す。次の日にもう一度やってみる。部活でやってきたことを、机の上でやってみる感覚です。

「勉強のやり方が分からない」と言われたら、こう聞いてみるのも手です。「部活では、苦手な練習をどうしていた?」

保護者の方へ:「休憩ばかり目立つ」と感じたら

保護者の方から、いただく相談があります。

「休憩や娯楽の時間ばかりが目立つんです」

毎日そばで見ていると、そう感じますよね。勉強している時間より、休んでいる時間のほうが目に入りやすいものです。

この相談を受けたとき、私はこうお返事しています。

「お子さんと話しますね」

ご家庭で「いつまで休んでるの」と言うと、どうしても言い合いになりがちです。親子だからこそ、素直に聞けないこともあります。

だから、私から本人に聞きます。先ほどの質問です。時間の使い方と、それが目標に対して役に立っているかどうか。本人の口から話してもらいます。

ご家庭では、無理に管理しなくてもいいと思います。もし声をかけるなら、「何時から始める?」くらいで十分だと思います。

時間を気にしながら、机に向かう夜

「良い焦り」が見えたら、ひと安心です

私が安心するのは、時間の使い方に、良い意味で焦りが見えてきたときです。

たとえば、時計を気にするようになる。今日やる範囲を、自分から決めるようになる。そんな変化です。

焦りというと、悪いものに聞こえるかもしれません。でも、これは時間を自分のものとして数えはじめた、ということです。目標と今日の過ごし方が、本人の中でつながってきたんですね。

この焦りは、外から押しつけても生まれにくいものです。本人が自分で確かめたときに、出てくるものだと感じています。

まとめ

  • 引退直後に時間を持て余すのは、よくあること
  • 少しずつ微調整できている子は、あまり心配していない
  • 気になるのは、秋になっても誘惑に弱い時間の使い方が続く場合
  • 聞いてみたいのは「志望校に対して、いまの時間の使い方は正解?」
  • 休憩をなくすより、勉強の時間を先に決める
  • 時間の使い方に「良い焦り」が見えたら、ひと安心

まずは今日、帰宅してから夕食までの予定を、紙に1行だけ書いてみてください。

テスト直前1週間の動き方は、こちらの記事でも書いています。

期末テストの副教科は、最後の一週間で差がつく

時間の使い方を、親子で話しにくいときは

とはいえ、「家で聞くとケンカになる」というご家庭も多いと思います。親子だと、つい感情的になってしまうこともありますよね。

私が運営する個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)では、学習相談を受け付けています。

ご相談は、次の模試の結果が返ってきたタイミングでも大丈夫です。いまの時間の使い方が目標に合っているか、一緒に確かめましょう。

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中1の秋、英語と数学は「捨てない」——2学期に差がつく2科目を守る話

「1学期はけっこう取れてたし、大丈夫でしょ」 「テスト勉強は来週からやるって」

9月の終わり、2学期の中間テストの範囲表が配られる頃。そんな会話をしているご家庭も多いかもしれません。分かります。1学期がまあまあだったなら、ひと安心したくなりますよね。

ただ、長く中学生を見てきて、この時期にいつも気になることがあります。1学期に「できた」子ほど、2学期の英語と数学で静かにつまずくことがあるんです。

なぜそうなるのか。今夜ご家庭でできる小さな点検と一緒に、お話しさせてください。

範囲表が配られる、秋の夜の机

1学期の「できた」は、自信をつけるための問題だったかもしれません

中1の1学期のテストは、比較的やさしめに作られていることが多いです。

中学校に入ったばかりの子に「やればできる」と感じてもらう。そんな目的で、基本問題を中心に出題されやすい時期なんですね。

これ自体はとてもいいことです。問題は、子どもがそれを「中学のテストはこういうもの」と受け取ってしまうことです。

「2学期も同じ感じでしょ」と思ったまま、同じ準備でテストに向かう。ところが、2学期は出題の中身が変わってきます。ここでズレが生まれます。

2学期、英語と数学はこう変わります

1学期と2学期で何が変わるのか。教室でつまずきが多いところを、英数それぞれ2つずつ挙げます。

英語:三単現と「文の書き換え」

一つ目は三単現、主語が he や she のときに動詞に s がつくルールです。

1学期は「I play」「You play」で済んでいました。そこに「He plays」が加わります。ルールとしては単純です。でも、うっかり抜けやすいんですね。

二つ目は、文の書き換えです。肯定文を否定文や疑問文に変える問題です。

「He plays tennis.」の否定文は「He doesn't play tennis.」です。ここで play に s を残してしまう子が、けっこういます。単語を覚えるだけでは解けない、ルールを使う問題に変わってきます。

数学:分数・小数の方程式と「文章題の式づくり」

一つ目は、分数や小数を含む方程式です。

「x/3 + 1 = x/2」のような問題ですね。両辺に6をかけて分母をはらう。このとき、「1」にかけ忘れる子がよくいます。

二つ目は、文章題に合わせて式を立てる問題です。計算はできるのに、文章から式が作れない。ここで手が止まる子が、ぐっと増えてきます。

どちらも、1学期の「答えを出す」問題から、「ルールを自分で使う」問題への変化です。暗記と反復で乗り切れた1学期のやり方だけでは、通用しにくくなってきます。

1学期のなだらかな坂と、2学期の階段

「英語を避ける」は、1回のテストから始まることがあります

以前、こんな中1の生徒がいました。

1学期は、本人も自信を持って過ごせていたようです。「2学期も同じような問題が続くだろう」と思っていたようです。

ところが、2学期のテストで出題の変化についていけませんでした。思うように点が取れなかったんです。

そこから、その子は英語の勉強を避けるようになり、成績も下がっていきました。

ここで伝えたいのは、その子が怠けていたわけではない、ということです。「前と同じでいい」と思っていたのに、急に通じなくなった。その戸惑いが、「英語はもういいや」に変わってしまったんです。

英語と数学は積み上げの科目です。中1の秋にできた小さな穴は、このあと習う過去形や、中2の連立方程式にそのままつながります。だからこそ、避け始める前に気づいてあげたいのです。

危ないサインは、点数より「丸付けのあと」に出ます

では、つまずきの芽はどこで見つかるのでしょうか。私が現場でいちばん注目しているのは、ワークの点数ではありません。解き方と、丸付けのあとです。

気にしてほしいサインは、この3つです。

  • 勉強はしているけれど、解き方が雑(途中式がない、問題文を最後まで読んでいない)
  • 丸付けをしても、間違いを見直さない(×をつけて、そのまま次のページへ)
  • 解き直しをしない(赤で答えを写して終わり)

「ちゃんと机に向かっているのに」と思われるかもしれません。でも、この3つが重なると、ワークを何周しても穴は埋まりません。間違えた問題が、間違えたまま残るからです。

逆に言えば、ワークを1ページ見せてもらうだけで、かなりのことが分かります。

今夜できる、英語1問・数学1問の点検

ここからは、親御さんが横で見るだけでできる点検です。教える必要はありません。お子さんに解いてもらって、どこで手が止まるかを見るだけです。

英語:「Ken plays soccer.」を否定文と疑問文にしてみる

  • 否定文:Ken doesn't play soccer.
  • 疑問文:Does Ken play soccer?

「doesn't plays」「Does Ken plays」と s が残っていたら要注意。三単現のルールがあいまいなサインです。

数学:「0.3x − 0.5 = 0.1x + 0.7」を解いてみる

両辺を10倍して「3x − 5 = x + 7」。移項して「2x = 12」、答えは x = 6 です。

10倍するときに一部の項だけかけ忘れていないか。途中式を書いているか。答えより、そこを見てあげてください。

どちらも、間違えたら責めずに「ここ、テストに出そうだね」で十分です。見つかった穴は、テスト前に知れてラッキーだった穴です。

教えなくていい。横で一緒に見るだけで十分です

テスト直前、英語と数学を「捨てない」配分

中間テストの直前は、どうしても暗記科目に時間を取られます。英数は「もう間に合わない」と後回しにされやすいんですね。

でも、英数を丸ごと捨てると、次の単元でさらに苦しくなります。おすすめは、全部やろうとせず「穴だけ守る」ことです。

  • 英語・数学は、毎日15分だけでも手をつける
  • やる内容は、ワークの×がついた問題の解き直しだけ
  • 新しい問題集には手を広げない

副教科を含めた直前期の時間の使い方は、こちらの記事も参考にしてください。

期末テストの副教科は、最後の一週間で差がつく

親がやらなくていいこと

最後に、やらなくていいことも挙げておきます。

無理に教えようとしなくて大丈夫です。 親子で教え合うと、どうしても言い合いになりがちです。点検で「ここが穴だね」と分かれば、役目は十分果たしています。

問題集を買い足さなくて大丈夫です。 今あるワークの×を解き直すほうが、効果が出やすいです。

「1学期はできたのに」と言わなくて大丈夫です。 本人がいちばん戸惑っています。変わったのは子どもではなく、テストの中身のほうです。

まとめ

今日の話をまとめます。

  • 中1の1学期は、自信をつけるためのやさしい問題が多い
  • 2学期は、英語の三単現・書き換え、数学の分数小数の方程式・文章題で出題が変わる
  • 「前と同じでいい」と思っていた子ほど戸惑い、科目を避け始めることがある
  • 危ないサインは、雑な解き方・見直ししない・解き直ししない、の3つ
  • 「捨てない」とは全部やることではなく、英数の穴だけを守ること

まずは今夜、英語と数学のワークを1ページずつ、一緒に開いてみてください。

1学期の準備については、こちらの記事でも書いています。

テスト範囲発表前から始めよう!中学1年生のテスト攻略法

穴の場所が、親子で見ても分からないときは

とはいえ、「ワークを見ても、どこが穴なのか分からない」というご家庭も多いと思います。親子だと、つい感情的になってしまうこともありますよね。

私が運営する個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)では、まずワークや答案を一緒に見ることから始めます。その子がどこでつまずいているのかを探すためです。

中間テストの前でも、答案が返ってきてからでも大丈夫です。どこが穴なのか分からないときは、ワークを1冊持ってきてください。一緒に探しましょう。

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「解き方のコツ」ばかり集めていませんか?公式の意味を飛ばすと、学力がゆっくり落ちていく話

「先生、この問題のコツ教えてください」 「このタイプはどのパターンで解けばいいですか」

テスト前の教室で、いちばんよく聞く言葉かもしれません。分かります、その気持ち。時間はないし、範囲は広いし、とにかく点を取りたい。コツやパターンが手に入るなら、それに飛びつきたくなりますよね。

ただ、長く生徒を見てきて、ひとつ気になっていることがあります。コツやパターン「だけ」を追いかけている子は、ある時期からじわじわと点が取れなくなっていくんです。本人も「なんで急に解けなくなったんだろう」と首をかしげます。

今日は、その「なんで」の部分を、中高生の君に向けて話してみたいと思います。ちょっと厳しめの話も混ざりますが、最後まで付き合ってもらえたらうれしいです。

コツは「実」、公式の意味は「根」。根がなければ実は育たない

コツやパターンは「悪者」ではありません

最初に、はっきりさせておきたいことがあります。コツやパターンそのものは、悪いものではありません。むしろ、うまく使えれば強力な味方です。

たとえば数学の「速さ」の問題。道のり・速さ・時間の関係を図にして覚える方法がありますよね。あれはとてもよくできた道具です。英語の「so 〜 that …」構文も、形を覚えておけば長文でパッと意味が取れます。

問題なのは、コツやパターンが「何の上に立っているか」を知らないまま使うことです。

速さの図は、「道のり=速さ×時間」という関係の言い換えにすぎません。「1時間に4km進むなら、3時間で12km」という当たり前の感覚が土台にあります。この土台があって初めて、図は「近道」になるんです。土台がないと、同じ図が「意味の分からない暗記項目」に変わってしまいます。

見た目はまったく同じコツでも、中身は正反対。ここが、今日いちばん伝えたいポイントです。

危険その1:覚える量が、どこまでも増えていく

仕組みを飛ばしてコツだけを集めると、まず何が起きるでしょうか。覚えなければいけないことが、際限なく増えていきます。

理由は単純です。仕組みが分かっていないと、問題の見え方が少し変わるだけで「別のパターン」に見えてしまうからです。

速さの問題で言えば、途中で速さが変わる問題、単位がmと分になっている問題、二人が出会う問題。土台がある子には全部「道のり=速さ×時間」の一本で見えます。土台がない子には、それぞれが別々の新しいパターンです。

一つの公式の裏に、十も二十もパターンがぶら下がる。そのすべてを覚え、忘れないように維持する。想像するだけで、しんどいですよね。しかも人間の記憶は、意味のつながりがないものほど早く抜けやすいと言われています。

だから、定期テストの直前に「あれ、このパターン何だったっけ」が頻発するようになります。これが、点がじわじわ落ちていく最初のサインです。

パターンの山は高くなるほど崩れやすい。土台のある道具箱は小さくても頼れる

危険その2:初めて見る問題の前で、固まってしまう

二つ目の危険は、もっと怖いものです。「どうしていいか分からない」状態がやってくることです。

パターンで解く勉強は、言い換えると「見たことのある問題を、見たことのある方法で解く」勉強です。テスト範囲が狭くて、ワークと同じ問題が出る定期テストなら、それでもある程度は通用します。

でも、模試や入試は違います。出題する側は、パターン暗記だけで解けないように問題を作ってくることが多いです。少しひねった、初めて見る形の問題。ここで、パターン頼みの子は手が止まります。

問題は手が止まることそのものではありません。止まったあとに「戻る場所」がないことです。

仕組みを理解している子は、初見の問題でも土台に戻れます。「これは要するにあの関係の話だな」と考え始められるのです。パターンしか持っていない子には、戻る場所がありません。頭の中の引き出しを片っ端から開けて、どれも合わなくて、時間だけが過ぎていく。

この経験を繰り返すと、「自分は数学が向いていない」「頭が悪いのかも」と思い始めます。本当は、勉強のやり方の問題なのに。ここが、私がいちばん危ないと感じる部分です。

初見の問題の前で、戻れる場所があるかどうか

危険その3:崩れるのは、だいたい「あとから」

三つ目は、タイミングの話です。コツ・パターン型の勉強のこわいところは、しばらくの間はうまくいって見えることなんです。

中1・中2のうちは、範囲が狭くて暗記量も限られています。パターンをがんばって覚えれば、それなりの点が取れます。「このやり方でいいんだ」と思ってしまう。

ところが中3の受験勉強で全範囲を扱うようになると、覚えるべきパターンの総量が一気に増えます。高校に上がれば、さらに増える。特に高校数学や物理は、公式の「意味」を使って初見問題を解く場面が大半です。

その頃になって「今までのやり方が通じない」と気づいても、土台を作り直すには時間がかかります。中学の内容から戻らなければならないことも多い。だから私は、できるだけ早い段階でこの話をしておきたいと思っています。

「今は点が取れているから大丈夫」と感じている子ほど、一度立ち止まってみてほしいのです。

発想の転換:コツは「教わるもの」ではなく「自分で見つかるもの」

ここまで危険な話ばかりでしたが、ここから前向きな話に変わります。

仕組みや意味を理解している子は、コツを自分で作れるようになっていきます。

たとえば二次関数の頂点。頂点の座標を求める公式を丸暗記している子もいます。でも「平方完成は、頂点が見える形に式を書き直すこと」と分かっている子は違います。公式を忘れても、頂点が出せるのですね。何度もやるうちに「この形ならこう見ればいい」という自分なりの近道もできてきます。

つまり、コツやパターンは理解の「結果」として、あとから生まれてくるものです。先にコツだけをもらっても、根っこがなければ枯れてしまう。順番が逆なんですね。

「コツを集める」から「仕組みを一つ理解して、そこからコツを生やす」へ。この発想の転換ができると、勉強の景色が変わってきます。覚える量が減って、応用がきくようになって、初見問題への恐怖が薄れていきます。

今日からできる、3つの小さな習慣

「仕組みを理解しろ」と言われても、何をすればいいか分かりにくいですよね。そこで、明日の勉強からすぐに試せることを三つ挙げておきます。

① 公式を使ったら、「なぜこの式でいいの?」を一言で書く ノートの端でかまいません。「面積だから縦×横」「比例だから一定の割合で増える」など、自分の言葉でひとことだけ。うまく言えない公式が、今の弱点です。

② コツを教わったら、「使えない場面」を一つ考える たとえば速さの図なら、「途中で速さが変わったら、そのまま使える?」と自問してみる。使えない場面が分かると、そのコツの「守備範囲」が見えてきます。

③ 解けなかった問題は、答えの手順を写す前に「どの仕組みの話か」を探す 解説を読むときに、いきなり式を写さない。「これは要するに何の関係を使っているのか」を一行で書いてから、手順を追う。一手間ですが、この一行が「戻る場所」になります。

三つとも、一回あたりほんの数十秒です。でも、この数十秒を積み重ねた子とコツだけ集めた子では、差が出てきます。経験上、数か月ではっきり分かることが多いです。

保護者の方へ、ひとことだけ

もしこの記事を読んでいる保護者の方がいらしたら、ひとつだけお願いがあります。

お子さんが「なぜこうなるの?」と質問してきたとき、その質問を歓迎してあげてほしいんです。「そんなことより早く覚えなさい」と言いたくなる気持ちは分かります。でも、それはいちばん大事な芽を摘んでしまうかもしれません。

「なぜ」を聞ける子は、仕組みに戻ろうとしている子です。答えが分からなくても、「いい質問だね、一緒に調べてみようか」で十分です。

まとめ

今日の話を、あらためて整理します。

  • コツやパターンは、仕組みの理解という土台の上でだけ「近道」になる
  • 土台なしで集めると、覚える量が際限なく増え、初見問題で「戻る場所」がなくなる
  • 崩れるのは中3や高校に入ってからが多いので、早めに順番を直しておきたい
  • コツは教わるものではなく、理解の結果として自分の中に生まれてくるもの

「なぜこの式でいいの?」を一言書く。明日からの勉強で、まずそれだけ試してみてください。

一人で順番を直すのが難しいときは

とはいえ、「どの仕組みに戻ればいいのか、自分では見当がつかない」という子も多いと思います。実は、そこがいちばん難しいところなんです。

私が運営する個人指導塾拓杜(ネット塾たくと)では、答案やノートを一緒に見ることから始めます。「君の場合はどの土台が抜けているか」を探すためです。コツを教えるのは簡単です。でも、その子に合った「戻る場所」は、一対一で話すほうがずっと見つけやすいのです。

「点が急に取れなくなった」「解説は分かるのに自分では解けない」。そんな心当たりがあれば、気軽に相談してください。まずは一枚、答案を一緒に眺めるところからで大丈夫です。

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特急が3時間遅れた夏の日に、受験生に伝えたくなったこと

特急、3時間遅れ

8月下旬、大阪の梅田駅の近くで、ちょっとしたイベントのお手伝いをする予定がありました。

準備は3ヶ月前から進めていました。資料を作り、話す内容を練り直し、当日の段取りを何度も頭の中でシミュレーションして。地味な作業ですが、こういう積み重ねが本番を支えると信じてやってきました。

そして、迎えた当日。

朝一番の新幹線で金沢を出発しました。予定通り乗り継いで、あとは特急に乗って大阪へ向かうだけ。大阪駅まで、あと30分というところまで来ていました。

順調そのものでした。ここまでは。

まさかの連続、動かない特急

車内アナウンスが入ったのは、そのすぐあとでした。JRのトラブルで、特急が止まる、と。

最初は「少し待てば動くだろう」くらいに思っていました。実際、45分ほど遅れて動き出したときは、正直ほっとしました。これなら間に合わなくても、大きくは崩れない。そう思っていました。

ところが、動き出したと思った矢先に、今度は別のトラブル。人身事故が発生した、というアナウンスが車内に流れました。

停車したまま動かない列車の車窓から見える景色

線路の上に人がいて、接触してしまったとのことでした。誰が悪いという話ではありません。そういう事情なら、止まるのは仕方のないことです。頭では、そう分かっていました。

あとで知ったのですが、この一連のトラブルで、8万人以上の移動に影響が出ていたそうです。自分が巻き込まれた「たった一つの遅れ」が、実は同じ日に同じ思いをしていた8万人のうちの一人分でしかなかった。そう考えると、少し不思議な気持ちになりました。

それでも、時計の針は容赦なく進みます。

10時を過ぎても、特急はまったく動く気配がありません。車内には、同じように予定が崩れていく人たちの、ため息とも諦めともつかない空気が漂っていました。

このままここにいても、状況は変わらない。そう判断して、思い切って特急を降り、京都駅へ向かうことにしました。

京都駅も、パニック寸前

ところが、京都駅に着いてみると、そこもまた騒然としていました。

同じように足止めを食らった人たちが、あちこちで駅員さんに詰め寄り、案内板の前には人だかり。代替の交通手段がどれなのか、私自身もすぐには分かりませんでした。

とにかく情報を集めて、動けそうな手段を探して、ドタバタと乗り換えを重ねる。焦る気持ちを抑えながら、なんとか大阪方面へ向かう手段を確保しました。

結局、大阪に到着したのは、イベントが終わってから30分後のことでした。

当初の予定では、イベント開始の1時間前に着いているはずでした。そこから、約3時間の遅れです。

「どう声をかけていいか分からない」空気の中で

一緒にイベントをする予定だった人たちは、遅れて現れた私を見て、どう声をかけていいか分からない、という表情をしていました。それも当然だと思います。3ヶ月準備してきた本番に、本人が間に合わなかったのですから。

こういうとき、一番つらいのは、実は「誰も悪くない」ということだったりします。誰かのミスなら、まだ怒りようがあります。でも今回は、天災に近い、どうしようもない出来事でした。

だから私は、あえて陽気にふるまうことに決めました。

沈んだ空気のままでは、誰も救われません。挨拶を交わして、みんなでランチをして。そのまま、とんぼ返りで石川へ帰りました。

窓際のテーブルを囲んで談笑する人たちの後ろ姿

帰りの新幹線の中で、正直、何をしに行ったんだろう、と落ち込みかけた瞬間もありました。3ヶ月の準備、丸一日の移動、それに見合う結果があったのか。そう考えると、虚しさが顔を出します。

でも、これで終わりじゃない

ただ、しばらく考えているうちに、気づいたことがあります。

これで、終わりじゃない。

私はこれから、教育系・不登校支援系のNPOでのお仕事が増えていく予定です。そのとき、今回のために準備してきた資料や、考え抜いた知識が、きっと活きる場面が出てきます。

今回のイベントで使うはずだったタイミングが、少し先に伸びただけ。準備してきたこと自体が消えたわけではありません。

大人になっても、想定と違うことは起きます。予定していた特急が動かなくなることも、代替手段が見つからずに焦ることも、頑張ってきたことが本番で形にならないことも。落ち込むことだって、もちろんあります。

それでも、大抵の「想定外」は、終わりではなく、ただの「回り道」です。

受験生のみんなへ

これを書いているのは、塾の先生としてです。

受験生のみんなは、これからの数ヶ月、模試の結果が想定より悪かったり、体調を崩して勉強できない日が続いたり、本番の入試で緊張して実力を出し切れなかったり、いろんな「想定外」に出会うと思います。

そのたびに、「ここまでの努力は無駄だったのか」と思う瞬間があるかもしれません。

でも、大人になった今の私が保証します。積み重ねてきたものは、簡単には消えません。そのときは間に合わなかったとしても、形を変えて、別のタイミングで、必ずどこかで活きてきます。

3時間遅れて大阪に着いた日、私はそれを身をもって学びました。

想定外が起きたとき、それを「終わり」にするか、「回り道」にするかは、そのあとの自分の受け止め方次第です。

もし今、想定外の出来事に落ち込んでいる人がいたら。それは終わりじゃなくて、まだ途中です。

中3の秋、英検と定期テストがぶつかったらどうする?現場で見た「両立できる子」と「つまずく子」の違い

中3の秋。学校で英検を受けることが多く、対策もこの時期に重なりがちです。

でも同じころ、内申点を決める定期テストも近づいてきます。「英検も定期テストも、両方きちんと頑張らせたい」——そう思っても、1日の時間は限られていますよね。

どちらかを後回しにしていいのか、両立させる方法があるのか。悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。

そもそも、英検は内申点や入試に直接有利になるのか

正直にお伝えします。英検の結果が入試で直接優遇されることは、石川県の高校入試ではほぼありません。推薦入試の際の内申書だったり、一部の私立高校受験で役立ったりすることはあります。

「内申点が上がるかも」「入試で加点されるかも」と、期待して受験を考える方も多いかもしれません。「英検を取れば内申が上がる」と決めつけるのは、少し早いかもしれません。内申で評価されるのは学校内での取り組みに対してですので。

がっかりさせてしまったらすみません。でも英検が無意味というわけではないんです。現場では、英検を頑張った子ほど、別の形で力を伸ばしています。

それでも英検をすすめる理由

「じゃあ意味ないの?」と思われたかもしれません。でも、そうではないんです。

入試優遇という分かりやすいメリットはなくても、現場ではそれとは違う効果が見られます。「英検に合格した」という事実が、英語への自信につながっているケースが多いんです。点数や順位では見えない変化です。

「自分は英語ができる」と思えるようになると、テスト勉強への向き合い方も変わってきます。

では、その自信をうまく定期テストにもつなげている子は、時間をどう使っているのでしょうか。

両立できる子がやっている時間の使い方

平日は学校優先、週末に英検対策、隙間時間に単語

答えはシンプルです。優先順位をはっきり分けているんです。

平日は、学校の授業と定期テスト対策を優先します。ここは崩しません。

一方で、まとまった時間が取れる週末には、英検の過去問対策などを充てます。平日と週末で「やること」を分けているのがポイントです。

それでも「単語だけは毎日触れたい」という子もいます。そんなときは、隙間時間を使います。通学中や休み時間など、ちょっとしたすき間で単語学習を進めるやり方です。

まとまった時間と隙間時間、それぞれの役割が違うわけですね。

気になるのは、時間は使っているのにうまくいかない子との違いです。

つまずく子に共通する「やっているつもり」勉強法

過去問を解くだけで、見直しをしない落とし穴

一方で、うまくいかない子にも共通点があります。

それは、「やっているつもり」で終わっていることです。

最近では少ないのですが、こんな事例が何件かありました。「英検の勉強をしている」と本人は言うのに、実際は過去問を解くだけ。解いたあとの見直しをしていなかったんです。

単語もあまり覚えないまま、同じ問題集を繰り返すだけ。すると変な癖がついてしまい、かえって英語の力が落ちてしまうこともあります。

時間はかけているのに、中身が伴っていない状態ですね。

では、正しくやればどうなるのか。次は、結果につながる取り組み方を見ていきましょう。

正しくやれば、ちゃんと結果はついてくる

では、正しく取り組むとどうなるのか。

現場で見ていると、過去問と単語の学習は土台になります。そこに英作文の添削指導まで行った生徒は、大体合格できています。

過去問を解いて終わりにせず、間違えた部分を見直す。単語もコツコツ覚える。そこに英作文の添削が加わると、答案の完成度がぐっと上がるんです。

もちろん、絶対に合格するとは言い切れません。それでも、正しいやり方を積み重ねれば、結果はちゃんとついてきます。

気になるのは、今日から何をすればいいのかですよね。最後に、内申点と英検を両立させるポイントをまとめます。

まとめ|「いつ・どれくらい」に正解は一つじゃない

合格の先にある、英語への自信

ここまでの内容を整理すると、基本になるのは時間ごとのメリハリです。平日は学校の勉強を優先し、週末に英検対策、隙間時間は単語、という使い分けですね。

ただ、時間を確保しただけで安心しないでください。「やっているつもり」になっていないか、見直す時間も持ちましょう。

最近では英検S-CBTもあるので、本来は時期を選ばなくてもよいんです。秋の一回勝負にこだわらなくても、受けられる時代になっています。

だからこそ、その子の学校の定期テスト日程や、受験する英検の回を踏まえておきます。そのうえで、週単位の配分を一緒に組んでいく。そういうやり方も、個別指導なら可能です。

時期を選べるS-CBTがあるからこそ、「いつ・どれくらい」は正解が一つじゃありません。お子さんに合った配分を、ぜひ一度ご相談ください。

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夏期講習で伸びなかった…と感じたら。2学期の内申点を上げる9月からの立て直し方

9月、内申点を立て直す準備

夏期講習、お疲れさまでした。

「模試の点数は上がったのに、内申点にはつながらない気がする」

そんな相談を、9月の面談でよく受けます。

保護者としては、講習に通わせただけで安心してしまう気持ち、よく分かります。

でも実は、模試や実力テストの点数と、内申点は別の物差しで測られています。ここがズレたまま2学期に入ると、頑張りが評価に結びつかないまま時間が過ぎてしまいます。

今日は、実際によくある3つのケースをもとに、9月からできる立て直し方をお伝えします。

ケース1:Aさん「塾の教材で満足して、学校の課題は後回し」

中3のAさんは、夏期講習の教材にしっかり取り組んでいました。

模試の結果も、悪くありませんでした。

ただ、学校から出ている課題の見直しは、後回しになっていました。

塾の教材をやったことで、なんとなく安心してしまったのです。

内申点は、学校の授業や提出物の積み重ねで決まります。塾での頑張りとは、評価される場所が違います。

ケース2:Bさん「丸付けだけで終わって、点を取る力に届かない」

中3のBさんは、問題演習の量そのものは十分でした。

ただ、解いて丸付けをしたら、それで満足してしまう癖がついていました。

間違えた問題の解説を、あまり読み込んでいなかったのです。

問題を解く時間と、解説を読み込む時間は、同じくらい大事です。むしろ、点数に直結するのは後者のことが多いです。

丸付けで終わる習慣のまま夏を越すと、演習量のわりに点数が伸びにくくなります。

ケース3:Cさん「声かけと提出物の点検で、意識が変わった」

中3のCさんにも、似た傾向がありました。

そこで、時間をかけて説明しました。点数で評価される部分と、普段の生活態度や提出物で評価される部分は、違うのだということです。

その上で、提出物に目を通し、声かけを続けました。

最初は「またか」という顔をしていたCさんです。それでも、少しずつ提出物への向き合い方が変わっていきました。

その結果、定期テストの点数が上がり、内申点にも改善が見られました。

提出物のチェックと声かけ

保護者に伝えたいこと

ここまでの3つのケースに共通するのは、努力の量そのものは足りていた、ということです。

足りなかったのは、努力の「向け先」でした。

保護者の多くは、模試や実力テストの点数を見て、学力の伸びを判断します。それ自体は自然なことです。

ただ、内申点はその物差しだけでは測れません。授業態度、提出物の期限や質、日々の小さな積み重ねが評価の対象になります。

ここの認識が家庭と学校でずれたままだと、お互いの気持ちもすれ違います。お子さんは「頑張っているのに評価されない」と感じます。保護者は「頑張らせているのに結果が出ない」と感じます。

まずは、この2つの物差しがあることを、家庭で共有してみてください。

9月からの立て直しステップ

9月からできる立て直しステップ

  1. 学校の提出物の状況を、まず一緒に確認する
  2. 模試の結果だけでなく、授業態度や提出状況も話題にする
  3. 問題を解いたら、解説を読み込む時間をセットで作る
  4. 定期テストまでの計画を、教科ごとに小さく立てる

いきなり全部をやろうとすると、続きません。まずは1つ、今日から始められそうなものを選んでみてください。

まとめ

夏期講習の頑張りが、そのまま内申点に反映されないことは、珍しくありません。

模試の点数と内申点は、見ている場所が違うからです。

9月からの2学期は、まだ十分に立て直せる時期です。提出物への向き合い方や、解説の読み込み方を少し変えるだけで、結果は変わっていきます。

焦らず、1つずつ整えていきましょう。

総合型選抜と学校推薦型選抜、「推薦」とひとくくりにすると危ない理由

分かれ道の前に立つ高校生。総合型選抜と学校推薦型選抜は別々の道

夕食の時間に、子どもがぽつりと言います。「〇〇先輩、推薦で決まったんだって」。

「うちも推薦にすれば?」と返したくなりますよね。ただ、ここに少し落とし穴があります。

いま「推薦」と呼ばれている入試は、実は性格の違う2つの制度に分かれています。総合型選抜と、学校推薦型選抜です。

名前が似ているせいで、親子が別々のものを想像したまま話が進むことがあります。今日はこの2つの違いを、家庭の時間軸で整理してみます。

同じ「推薦」の下に、性格の違う2つの入試があります

まず言葉の整理からいきます。

総合型選抜は、昔のAO入試にあたるものです。一番の特徴は、自分の意思で出願できることです。高校の推薦は要りません。そのかわり、志望理由書などの書類と面接で、その大学で学びたい理由を自分の言葉で示します。

学校推薦型選抜は、昔の推薦入試にあたります。こちらは高校の校長先生の推薦が前提です。成績(調査書)が主な資料になります。大学が特定の高校に枠を出す「指定校制」と、条件を満たせば誰でも出せる「公募制」があります。

ざっくり言うと、総合型は「自分で手を挙げる入試」、学校推薦型は「学校に推してもらう入試」です。

入口からして別物なんですね。

時間割がまったく違います — 総合型は9月、学校推薦型は11月

次に、締切の話です。ここが一番の注意ポイントかもしれません。

文部科学省の実施要項では、今年度の日程はこう定められています*1。

  • 総合型選抜: 出願は2026年9月1日から。合格発表は11月1日以降
  • 学校推薦型選抜: 出願は11月1日から。合格発表は12月1日以降

「どちらも年内に決まる入試」ではあります。ただ、出願まで2ヶ月の差があります。

そして、この2ヶ月の差は、準備の逆算では半年以上の差になります。

総合型は9月に出願するので、志望理由書などの書類は夏休みのうちに仕上がっている必要があります。書類のもとになる「大学でやりたいこと」を探す時間も要ります。そこまで含めると、高3の春には動き始めていたい計算です。

一方、指定校の学校推薦型では、多くの高校で夏から秋にかけて校内選考があります。11月の出願より前に、実質的な勝負が校内で終わっているわけです。そして校内選考の材料になる評定は、高1の成績から積み上がっています。

「秋になったら推薦のことを考えよう」だと、どちらのルートでも少し遅いのです。

やることも別物です — 書類と面接の重さ、評定の重さ

左は書類の山、右は成績表。総合型と学校推薦型では準備の中身が違う

準備の中身も比べてみます。

総合型選抜では、志望理由書や活動報告書など、本人が書く書類を必ず評価に使うことになっています。さらに、面接による評価も必ず行うと実施要項に明記されています。プレゼンテーションや口頭試問を含む、時間をかけた面接です。

つまり総合型の主戦場は、「書く」と「話す」です。

学校推薦型選抜の主な資料は調査書、つまり日々の成績です。評定は後から取り返しがきかないので、こちらの主戦場は「高1からの積み上げ」と言えます。面接も原則行われます。

そしてもう一つ、大事な共通点があります。どちらの入試でも、小論文や共通テストなどの評価方法を少なくとも一つ組み合わせることになっています。

「推薦だから学力は見られない」は、今はもう通用しないと考えたほうが安全です。

保護者の方に気をつけてほしいこと3つ

ここまでを踏まえて、家庭でできる注意点を3つに絞ります。

1つ目。子どもの「推薦にする」が、どっちの話かを確認する。

総合型のつもりなのか、指定校を狙っているのか。ここがずれたまま応援すると、時期も準備も的外れになります。実際、私立大学の入学者の約6割は、この2つを合わせた「年内入試」で決まっています*2。もう少数派の入試ではないからこそ、言葉の解像度が大事です。

2つ目。「専願か併願か」「共通テストは課されるか」を募集要項で見る。

同じ総合型でも、合格したら入学が前提の大学と、併願できる大学があります。共通テストを課す大学もあります。ここは大学ごとに本当にバラバラです。名前の印象で判断せず、募集要項を親子で一度開いてみてください。

3つ目。一般選抜との両立の重さを見積もる。

総合型の書類と面接の準備は、思っている以上に時間を食います。夏に書類、秋に面接。その間も一般選抜の勉強は止められません。全部を全力でやろうとすると、どちらも中途半端になりがちです。どこまで両立するかは、先に家族で話しておきたいところです。

まず、今夜どっちの話か聞いてみてください

長々と比べてきましたが、今夜できることは1つだけです。

「推薦って、総合型のこと?それとも指定校?」と聞いてみる。それだけです。

答えが返ってくれば、準備の時間割は今日の記事のとおりに引けます。「分からない」と返ってきたら、それはそれで収穫です。親子で同じスタートラインに立てたということですから。

詳しいことは、学校の進路指導の先生に聞くのが一番の近道です。校内選考の時期や指定校の枠は、学校ごとに違うからです。

まとめ

  • 「推薦」の下には総合型選抜と学校推薦型選抜という別物の入試がある
  • 総合型は9月出願=夏に書類完成。指定校は校内選考が実質の本番
  • 総合型の主戦場は「書く・話す」、学校推薦型は「高1からの評定」
  • どちらも面接があり、学力もきちんと見られる
  • 今夜の一手は「どっちの話?」と聞くこと

なお、面接練習の進め方は、中3向けに書いたこちらの記事の考え方がそのまま使えます。

「面接練習した?」でケンカになる前に。中3が一人でできるAI面接練習

志望理由書や小論文は、独学だと「これでいいのか」の判断が一番難しいところです。中学受験から大学受験まで、添削指導には長く付き合ってきました。面接練習も300人以上と重ねてきました。書類の添削や模擬面接だけを単発で、というご相談も受け付けています。

→ 無料相談フォームはこちら

*1:令和9年度大学入学者選抜実施要項(文部科学省)による: https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1346785.htm

*2:文部科学省の調査に基づく: https://benesse.jp/juken/202506/20250616-1.html

「面接練習した?」でケンカになる前に。中3が一人でできるAI面接練習

夕食後のリビング。面接練習の話題で気まずくなる親子

夕食後に「面接練習、した?」と聞く。返ってくるのは「学校でやるから、いい」。

会話はそこで終わり、気まずい空気だけが残る。この時期、教室でもよく聞く光景です。

推薦入試や私立の単願、そして面接がある公立高校。中3の秋は、面接が急に現実味を帯びてくる時期です。

それなのに、家での練習はなかなか始まりません。今日はその理由と、一人でもできる練習方法を一緒に考えてみます。

面接練習が続かないのは、やる気のせいではありません

家で面接練習が続かないのには、はっきりした理由があります。

まず、親が相手だと照れます。真面目な顔で「志望動機をどうぞ」と言われるほど、笑ってしまう。これは自然な反応です。

そして、学校の面接指導はいつも手厚いとは限りません。本番直前に1〜2回、一人あたり数分ということも珍しくないようです。

つまり「練習の相手と回数が足りない」という構造の問題です。子どものやる気の問題ではありません。

これまで、オンラインと対面を合わせて300人以上の面接練習に付き合ってきました。その経験からも、練習が足りないまま本番を迎える子は本当に多いです。

面接で聞かれることは、実はそれほど多くない

先に、安心材料からお伝えします。高校入試の面接で聞かれることは、だいたい決まっています。

定番の質問はこのあたりです

  • 志望動機(なぜこの高校を選んだか)
  • 中学校で頑張ったこと
  • 高校で頑張りたいこと
  • 自分の長所と短所
  • 将来の夢や進路の希望
  • 最近気になったニュース

学校ごとの追加はあっても、軸はここから大きく外れません。まずは敵の正体を知るだけで、不安は少し軽くなります。

一番危ないのは「丸暗記」です

ここで、300人以上を見てきて一番多かった失敗をお伝えします。

模範解答の丸暗記です。

暗記した文章をそのまま話すと、面接が「暗唱大会」になります。目が上を向き、声は棒読みになる。一箇所飛ぶと、全部止まる。

面接官が見たいのは、暗唱の完成度ではありません。質問を受け止めて、自分の言葉で返せるかどうかです。

だから練習で鍛えたいのは、文章の再生ではなく「受け答え」。ここを取り違えると、練習するほど本番に弱くなってしまいます。

AIを面接官にすると、一人で「受け答え」の練習ができます

夜の勉強部屋で、スマホのAIを面接官役にして練習する中学生

受け答えの練習には、相手が要ります。そこで、AIに面接官役をやってもらいます。

スマホの無料チャットAI(ChatGPTやGeminiなど)で十分です。音声入力を使えば、声に出して話す練習にもなります。

準備は3分。ただし指示文がすべてです

ここに大事なコツがあります。「高校入試の面接練習をして」というざっくりした指示では、ありきたりな質問しか返ってきません。

AIへの指示は、その子専用に細かくするほど効きます。部活や委員会など、本人にしか書けない情報を盛り込むのがコツです。

そのまま使える指示文の例を置いておきます。

あなたは高校入試の面接官です。私は中学3年生で、○○高校の推薦入試を受けます。部活は吹奏楽部で、図書委員でした。中学校で一番頑張ったのは合唱コンクールの伴奏です。この情報をもとに、面接官として質問を1つずつしてください。私が答えたら、その内容をさらに深掘りする質問を返してください。

○○や部活のところを、自分のことに書き換えて使ってください。

練習の回し方

  1. AIの質問に、声に出して答える
  2. 答えた内容に、AIが深掘りの質問を返してくる
  3. 詰まったところを、もう一度言い直す

この「深掘りに答える」練習こそ、丸暗記ではできない部分です。想定問答の外に出る練習、と言ってもいいかもしれません。

飽きずに続ける目安

1日10分を、まずは1週間。一気に長くやるより、短く回数を重ねるほうが向いています。

慣れてきたら「少し変わった質問も混ぜてください」と足してみてください。想定外の質問に慌てない練習になります。

ただし、AIが見られないものが3つあります

ここまでAIをすすめておいて、なのですが。AIには見えないものがあります。

  • 目線(相手の目を見て話せているか)
  • 声の大きさ(教室の広さでも届く声か)
  • 間(沈黙を怖がって早口になっていないか)

この3つは、画面の中の練習では確認しきれません。

暗唱大会になっている子も、本人はまず気づいていません。自分の話し方は、自分では見えないからです。

仕上げの1回だけ、人にみてもらってください

だから、練習の設計はこうなります。

回数はAIと積む。仕上げの1回だけ、人にみてもらう。

みてもらう相手は、学校の先生でも構いません。担任の先生に「一度お願いします」と頼めば、多くの場合快く付き合ってくれます。

学校で頼みにくいときは、オンラインで単発の模擬面接だけ受けるという方法もあります。

まとめ — 今夜できる次の一手

  • 面接練習が続かないのは、相手と回数が足りない構造の問題
  • 丸暗記は「暗唱大会」への近道。鍛えるのは受け答え
  • AIに本人の情報を渡して面接官役に。1日10分を1週間
  • 目線・声・間は人にしか見えない。仕上げの1回だけ人と

今夜、この記事の指示文をお子さんのスマホに送ってみてください。「練習した?」と聞かなくても、案外一人で始めるかもしれません。

面接の受け答えは、最後は人の目で仕上がります。「模擬面接を1回だけ」というリクエストにも随時対応しています。30年以上の指導経験をもとに、一対一でじっくり話せる場があります。

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2学期の内申点は、夏休みの過ごし方で決まる

2学期の内申点、夏休みの準備をイメージしたイラスト

以前、「期末テストの副教科は、最後の一週間で差がつく」という記事を書きました。

「テスト直前の一週間でも、まだ変えられます」という内容でした。今回は少し違う角度からお話ししたいと思います。

通知表を片付けながら、「また2学期も副教科で焦ってしまうのでは」と、ふと不安になることもあるかもしれません。

夏休み中に、2学期の内申点のことを考えておくと、直前だけに頼らずに済むかもしれません。今回は「準備編」です。

内申点は、テスト前の一週間だけで決まるわけではない

前回の記事では、テスト直前の一週間でできることをお伝えしました。それは今でも大事だと思っています。

ただ、内申点は授業態度や提出物、日々の取り組みも含めて評価されます。テスト前だけがんばっても、なかなか届かない部分もあります。

だからこそ、夏休みという少し余裕のある期間があります。そこで、土台を整えておくという考え方もあるのではないかと思います。

夏休み中にできる、小さな準備

夏休み中にできることは、それほど大きなことではありません。

たとえば、1学期に配られた副教科のプリントやノートを、一度見返してみましょう。何が重要とされていたか、うっすらとでも思い出せると、2学期の授業に入りやすくなります。

実技教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)は、1学期の続きの内容が2学期に出てくることも多いです。基礎用語や道具の名前を、軽くおさらいしておくだけでも違うかもしれません。

体育祭や文化祭の準備が実技教科の授業内容とつながっていることもあります。学校からのお便りに目を通しておくと、2学期の見通しが立てやすくなります。

2学期に入ったら、提出物とテスト勉強を分けて考える

前回の記事でもお伝えしましたが、提出物を終わらせることと、テスト勉強は別物です。この考え方は2学期でも変わりません。

ワークやプリントを提出することは、スタートラインです。そこから、赤字や太字、先生が強調していたところを確認し、何も見ずに言えるかを試してみましょう。この3段階を、2学期は少し早めに意識しておくと、前回よりも余裕を持てるかもしれません。

まとめ:今日は、1学期の振り返りだけでいい

2学期の内申点は、テスト前の一週間だけでなく、夏休みの過ごし方からつながっていると思います。

とはいえ、今日から大きなことを始める必要はありません。まずは1学期のプリントやノートを、少しだけ見返してみましょう。それだけで、2学期の入り方が変わるかもしれません。

教科ごとのバランスは、お子さんによって違います。どこに時間をかけるべきか一緒に整理したいときは、いつでも相談してください。

まずは今日、1学期の振り返りから始めてみましょう。