中能登町の個人指導塾たくとです。ここ最近は、音読や読解に関するブログも多かったので、同じ仕事をしているオンライン家庭教師や提携している塾の生徒からレッスンについて質問がありました。
今回は同塾の七尾高校生に、先日現代文「山月記」をレッスンしたポイントを紹介します。
高校2年生で習う山月記
人が虎になってしまうという不思議な出来事があり、虎になる前の彼(李徴)をしる袁惨が、お役目の旅の途中で遭遇してしまうお話です。
言い回しが長く、読解になれていな高校生には読み取りが難しいかもしれません。
しかし、
・李徴のビフォア、アフター
・袁惨からみた李徴
・羞恥心と自尊心
・成功するためのポイントとは
をつかんでいくと、大事なポイントがつかめます。そのリード役として、袁惨の視点が役立ちます。
李徴のビフォア、アフター
そもそもは優秀であまり努力をしないでも結果を出せた男が李徴といえます。そのため、お役人になる難しい試験に合格したのですが、努力することに意義を見出せず、同じく才能があった芸術への道に進みます。
しかし、彼の思惑とは違い、芸術家として生活ができないほどボロボロになります。いざ、元のお役人に戻ろうとすると、馬鹿にしていた同僚たちが出世しており、その下で働く可能性が高いです。
プライドの高い彼は、その全てが耐えられず、くるって飛び出した結果、人であることを捨てて、獣(人食い虎)になってしまったというわけです。
その虎の最後は書かれていませんが、バッドエンドの可能性が高いでしょう。
袁惨からみた李徴
袁惨は、たまたまお役目の途中で人食い虎の話を聞いて、実際に遭遇してしまった不運な男です。しかも、それが友人だったなんて、かなり驚いたことでしょう。
しかし、部下に命じて李徴が心残りだという、世の中に発表したい歌や詩を書きとらせたり、話を親身に聞いたりするところから優しさや冷静さも感じます。
しかし、彼が李徴に対して感じたのは「物足りなさ」です。
すごい作品の雰囲気はするけど、、、
そのポイントこそが重要。
羞恥心と自尊心
正式には臆病な自尊心と獰猛な羞恥心というキーワードが、この作品の核心になります。
成功したいけど、失敗や周りからダメ出しされることを恐れ、李徴は周りと距離を置き続けてきました。そのため、心の中でだんだん良くない部分=悪を育てる結果になってしまいます。
その悪により周りではなく、自分だけしか見えない。古来の中国では、悪いことをする、悪い心をもつことを虎に例えるので、実際に虎になってしまったという流れになっています。
彼が周りから教えをこい、ライバルたちと競いあうことができれば結果は変わっていたでしょう。
成功するためのポイント
山月記が高校生の現代文に採用される理由は、他の価値観に触れる大切さを知ってもらいためと私は考えています。
どんな人も道端にある石ころレベルで始まり、ライバルと切磋琢磨したり、指導者の教えを受けたりして角がとれて丸くなり、磨かれて光る玉になります。珠玉の一品という言葉もあるように、玉は磨かれて鍛え抜かれたものを示す言葉です。
私自身が生徒に指導するポイントとして、「成功するためには、他の価値観に触れて理解すること」をしつこいくらい話します。
ストーリー仕立てで、1人の男の明暗を表現した作品は、とてもタメになるのではないでしょうか?
まとめ
今回は、個人指導塾たくとが指導するポイントを少し紹介しました。
当塾は、根っからの家庭教師だった男が開いた学習塾です。だから、一人一人に伝わるように考えて行動します。
勉強や目標で困っていることがあれば、気楽にお声がけください。