塾ログ@オンライン塾講師たくとのブログ

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懐かしいクーリングオフとの出会い

先週のお題「ゾクッとする話」で、マルチにつかまりかけた方のブログを読んだ。

 

そういえば似たような経験が私にもある。今では私が教える社会で当たり前になった「クーリングオフ」という言葉は、私が大学3、4年生だった20年くらい前には出来たばかりでした。

私がどうしようもなく追い詰められ、窮地を救ってくれた言葉が「クーリングオフ」で、特別な思いで毎年眺めることでした。

 

マルチというか怪しげな会員サービスを、当時40万近いローンで契約してしまったのは私ではなく友人の一人でした。

私は、たまたま友人が突然の電話勧誘にのって夜に出かけたことを知っていただけです。少し気になったので、車持ちの仲間と野次馬根性で待ち合わせ場所を覗いたという事実もあります。

 

結局は鼻の下伸ばして談笑している友人を目にして、先に帰りました。しかし本題は、その後に始まったようです。

 

夜中に電話が鳴りました。当時はポケベル全盛期で、連絡は基本固定電話だったことが懐かしいです。

 

電話の主は、先ほどの友人でした。調子に乗って、契約したら帰宅後になって頭が冷えて、不要な契約だと気付いたらしいです。おまけに契約が何故か3日前に終わったことにされていたと聞かされました。

 

放置するのも気がひけたので、私は朝を待って私のアパートに来るよう指示しました。

 

数時間して友人と合流した後に、私は友人の代わりに契約書に記載されていた事務所に電話をしました。

 

電話に出たのが、よくドラマやバラエティー番組に出てきそうなお局をイメージさせる口調の女性でした。このおばさんがきつかった。

何をどう言っても「契約は完了した」からキャンセルは聞かないの一点張りでした。日付けが誤魔化されてたこと、契約時の矛盾を指摘すると、「ウチの◯◯がそんなことを言うわけがない!」と声を荒げて突っぱねられました。

しまいには、向こうの社員が怪しがり「あなたは本当に◯◯さんですか!違う人じゃないの!?」と何度も言うようになってきました。

 

正直、自分のことなら間違いなく諦めていたはずです。しかし、人間って親しい仲間や身内のためならエネルギー出せるんですね。

 

そのときの私も、頭だけは冷静で受話器に耳を傾けて、何度も書類に目を通していました。そのときに、アノ言葉を見つけました。

 

当時は知らない言葉でしたので、一週間以内の契約ならキャンセルできる決まりだという、他の文面より小さなフォントでの説明にすがることにしました。

 

私「あの、一つだけ教えてください。」

相手「契約は済んでるので、特に言うことはありません。」

私「じゅうじゅう、わかりました。契約は完了なんですね。書類のわからない言葉だけ教えてくれませんか?」

相手「分かっていただけたなら良いんですよ。何でしょうか?何でも聞いてくださいね。」

明らかに声のトーンが変わりました。

私「一週間以内ならキャンセルできるクーリングオフって何ですか?ウチも契約して3日ならできるんですか?」言えた!

相手「……」

私「?」

相手「チッ! 書類全部送ってください!ガチャ」

それで電話のやり取りも契約も全てが終了しました。

 

何度、思いかえしても「クーリングオフ」という言葉に救われた嬉しさは忘れられません。

 

クーリングオフは私に一つの自信を与えてくれた言葉といっても言い過ぎではありません。

 

これからも大事に伝えていきます。